商売でも何でも誰に向けて提供するのかを考えなきゃいけないですよね。これをペルソナとかねそのターゲットって言い方をしますけど、商業出版で書籍にを書く時には「ペルソナ」を設定してはいけません。
ぼくは本を書くときにペルソナを1回も考えたことないです。ただ、その代わりに考えていることがあります。今日はそれを解説しますね。
今日のテーマはペルソナ、ターゲットに関してです。世の中何か商品を作ろうとするときにペルソナを設定しよう、ターゲットを明確にしようと言われます。もちろんそれが有効な時もありますが、書籍を書く時にはあまり意味がないというか、逆効果になってしまうこともあります。
どういうことか説明しますね。
ペルソナやターゲットって、自分が勝手に設定するんですよね。商品を売りたい側が勝手に「こういう人に売りたい」って考えてるだけです。
これって、お客さんのことを何も考えてないですよね。こっちが勝手に「あなたを狙います」といっているだけで、相手の希望はまるで気にしていない。
特に、「ターゲット」という言い方は気を付けた方がいい。ターゲットって「的」じゃないですか。こっちが打ち抜く的ですよね。ターゲットとは、言ってみればゴルゴ13がそのターゲットを仕留めるって感じの意味です。ターゲットは誰? と考えると、「仕留める相手は誰?」というイメージになってしまうんです。
その仕留められる側の人は、こっち見てないですよね。気にしてないですよね。見たいと思ってないですよね。要は、お客さんに気にしてもらおうとせずに、仕留めようとしているんです。それがターゲットっていう発想なんです。
もちろん、ターゲットを設定することで軸をブラさなくするという意図もあります。自分がビジネスをするときに、この人たちに届けるんだというように気持ちをブラさないようにするために、自分の中で決めておく。そのためにペルソナを設定するのは構わないと思います。
ですがペルソナを設定したからといってその人たちが自分の商品を欲しいと思ってくれるとは限らないんです。
書籍を書くとき、ぼくはターゲットとかペルソナを一切設定しません。その代わりに設定するものがあります。
それは、「○○に困ってる人」「○○に悩んでる人」という表現での設定です。
よく言うペルソナとかそのターゲットって、スペックで表現される場合が多いですよね。何十代、男女、そしてどこに住んでいるか、など。さらには、どういう仕事をしていて、学歴はどうで、みたいに区切って語られます。
ちなみにぼくは40代の男性ですけれども、「40代の男性」という括られ方をされても、何とも言えません。ぼくが40代男性だからその商品欲しいわけじゃないです。
人が商品を欲しいと思うのは、「困ってるから」「それを使って何かしたいから」ですよね。要は、悩んでるからその商品欲しいと思うわけです。
なので、自分たちが狙いを勝手に定める前に、相手が何に困っているか、何をしたいと思っているかを考えなければいけません。それを考えた結果、「40代男性にそういう人が多い」という結論になるのは構いません。「だから40代男性をメインのお客さんに考えよう」とするのはいいんです。でも「40代男性に売りたい」が先に来ちゃうといけません。
本を書く時も一緒です。
以前、漫画『カイジ』の世界観を借りて本を書いたことがあります。カイジを読んだことがある人はすぐわかりますが、あの漫画は男子向けなんです。なので女子には一切読んでもらえなくていい、というくらいのトーンで書きました。
ただそれ以上はスペックではなく、「○○に困っている人向け」「○○に悩んでいる人向け」にしました。なので相手の年齢は意識していません。ただある悩みや課題を共通して持っている人達に向けて書いたんです。
ざっくり言うとこんな感じです。ぼくが読者の特定として意識するのはそのくらいの定義です。
ということで今回は以上です。参考になりましたでしょうか。
本を書くときには何に困っている人、何に悩んでる人に向けて書くのかを設定して、その人に向けて書くようにしたら、わりとブレずにいい文章が書けると思います。