こんにちは、木暮太一です。今回は、ビジネス書に特化した「売れる切り口」について深掘りしていきます。これから解説する切り口を自分のコンテンツと掛け合わせるで、編集者に評価されるビジネス書が書けるようになります。最後までお付き合いください。

ほとんどの人は、自分が書きたいこと、自分がしてきたことをそのままコンテンツとして出そうとします。気持ちはわかるのですが、それはあなたが思っていること、やりたいことであって、相手が評価するとは限らないのです。

「私はこれをやりたいのに、なんで認めてくれないんだ?」

と言う人がたまにいますが、ビジネスとは、相手が評価するものですからね。自分のカテゴリーは大事ですが、相手が評価するようにカタチを変えていかなければなりません。

Youtubeでも解説していますので、動画の方が便利な方はこちらからどうぞ↓

では、自分のコンテンツでビジネス書を作るとしたらどうすれば良いか?

過去1年間を振り返ってビジネス書の傾向を分析すると、同じような切り口の本がたくさんある、ということがかなり顕著に表れています。もちろんタイトルは違いますし、細かいテーマも全然違います。

しかし、軸になっていること(核となるテーマ)は8割くらい同じです。つまり、この8割に共通する「軸」を切り口にすれば、評価される企画になる、ということです。

では、その「軸」とはズバリ何か。

「対人関係のストレス解消」

です。

ビジネスをやっていると、いろいろなストレスがありますよね。ぼくも新入社員のときは結構ハードな生活を送っていました。やはり対人関係のストレス解消は人間の永遠の課題かもしれませんね。対人ストレスは昔からありますが、ここ数年、特にビジネス書で「対人関係のストレスを減らしたい」という内容が増えてきました。

メンタルをケアするという切り口は、ぼくが前に書いたブログ「編集者が好む切り口ベスト5」でも紹介しましたが、これはビジネス書にも当てはまります。ビジネス書でメンタルケアと言っても、メンタルを病んでしまった社員のケアの仕方ではありません。自分がストレスを抱えずに、メンタルを削られずに、ビジネスで成果を出す方法です。

何をやるにしてもストレスはたまります。ぼくもかつて営業職でしたが、メンタルが削られてイヤになったときもあります。仕事をしていれば、メンタルがダメージを受けてしまうことがありますよね。そんなときに「メンタルが削られない営業法」があったら、めちゃくちゃ喜ばれると思います。

営業意外にも、自分ひとりのことでもストレスはたまります。例えば英語の勉強。英語の勉強は、中学で3年、高校で3年、人によっては大学でさらに4年。トータルで10年間です。それでも英語がしゃべれない。社会人になって、海外を視野に入れたビジネスとなると英語をやらなければならない。「英語ができないと先がない」と言われるから必死で勉強する。でも頭に入らない。

これって、めちゃめちゃストレスですよね?

だから、「ストレスをためない英語学習」「ストレスを感じない英語勉強法」というような切り口をつけられたら、出版業界でもかなり評価されます。

ただし、単に「ストレスがなくなる」では企画になりません。なぜなら漠然としているから。ストレスを下げるために、いろいろなことを漠然とやって全体的に軽減させます、では本になりません。内容が薄く、平べったくなってしまうから。狙うならピンポイントです。

英語だったら「ストレスをためない単語の暗記の仕方」、ビジネス書なら「ストレスをためないコミュニケーションの取り方」「相手に拒絶されるストレスから回避できる対処法」など。

具体的なシチュエーションでストレスを軽減できる方法を語ることができれば、良い企画になるのではないかと思います。この流れは、少なくとも1、2年は続きますね。

今から考える企画は、ぜひ、この切り口で作ってみてください! ぼくは出版社を経営して18年、作家として25年経っています。その経験を活かして、皆さんに商業出版のやり方をアドバイスしています。出版社を経営していると、POSデータが見られます。残念ながら一般の人には見られないデータです。

ここでお話ししていることは、ぼくが18年間見てきたデータに基づいて、何が売れて、どんな傾向が読み取れて、そこで何をすれば良いか、ということです。ぼくの「考え」だけではありません。POSデータとして表れている「データ」が根拠になっています。ビジネス書で「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という本が売れましたが、まさにファクトフルネスです。

「ぼくが正しい」のではなく、「データが正しい」です。その正しい切り口を知って、世の中のニーズをつかみましょう。