はじめに
こんにちは、木暮太一です。
今回も「出版の裏側」についてお話ししていきます。
今日のテーマは、「どうやって出版企画を作っていけばいいのか」の応用編。
特に、自分の考えていることを本という形にする際、何を重視すべきなのか? という点について深掘りしていきます。
「出版企画を考えるとき、何を重視するべきか?」
出版業界でよく言われるのが、
「企画を絞れ」
ということ。
これは本当にその通りで、ほとんどの人が“絞れていない”のが現実なんです。
企画が「絞れていない」とはどういうことか?
たとえば、
- 「コミュニケーションの本を書きたいです」
- 「お金について書きたいです」
と言う方がいますが、これは全く企画が定まっていません。
「コミュニケーション」って、具体的にどの部分ですか?
話すこと? 聞くこと? 褒める? 叱る?
それが言えない時点でアウトです。
多くの人が「全般的に書きたいです」と言いますが、これは出版業界的には完全にNG。
なぜなら、本というのは“特定”されていないと読者の目に止まらないからです。
本は営業されて買うものではない
本を買うとき、誰かから説明を受けて購入する人はまずいません。
自分で手に取って、タイトルや見出しを見て、「これ欲しい」と思うかどうか。
つまり、「ドンピシャ」で読者の課題や欲求に刺さる必要があるんです。
でも、これがみんなできないんですよ。
というよりも、「できているつもり」になってしまっている。
あなたの企画は、思ってる以上に“アバウト”です
本当に言いますけど、今あなたが考えている企画、めちゃめちゃアバウトに見えています。
たとえセミナーを開いていたり、ノウハウを持っていたりしても、それを出版企画として編集者に話すときには、もっともっと絞り込まなければいけない。
でもここでみんな、こう思ってしまうんです。
「そんなに絞ったら売れないんじゃないか…?」
「ニッチすぎて誰にも届かないんじゃないか…?」
そう、“絞る”ことに対する恐怖感がある。
でもその恐怖を乗り越えた人だけが、本を出せるんです。
読者は「一人」に設定するのが正解
出版企画の鉄則は、読者対象を一人に絞ること。
特に優れた編集者ほど、「その一人のニーズや課題に応える企画」を求めてきます。
一方、売れない企画はというと…
「いろんな人に読んでもらいたいです!」
というやつ。
でもこれ、誰にも刺さらないんです。
「全部あります」は「何もない」と同じ
たとえばラーメン屋さんに、ナポリタンも、カレーも、お蕎麦もあったら…どう思いますか?
「あの店、なんか信用できないな」って感じません?
- 一点集中していない
- 結局何が売りなのかわからない
- 「いろいろあります」は自信のなさの表れ
出版もこれと全く同じです。
企画の絞り方:「過去の自分」に向けて書く
じゃあ、どうやって絞ればいいのか?
僕がおすすめするのは、
「過去の自分に向けて企画を作る」
という方法です。
- 過去、自分が悩んでいたこと
- 困っていたこと
- うまくいかなかったこと
それに対して、今の自分が何かを教えるとしたら?
何を伝えるのか?
この目線で企画を作ると、ぶれないんです。
「いろんな人に伝えたい」は著者の性分。でも…
出版経験が少ない人ほど、
「もっと多くの人に読んでもらいたい」
「広く届けたい」
という思いが強くなります。
でも、それをやると評価されないんです。
僕自身も、最初の頃はそういう気持ちを持ってました。
でも今では66冊目、67冊目…もうすぐ70冊に到達します。
ここまで来ると、
「範囲を狭める」=「当たり前」
になっています。
この記事のまとめ
出版企画を成功させるためには、とにかく「企画を絞る」ことが重要です。
「全般的に書きたい」という姿勢では読者にも編集者にも届かず、読者像を「一人」にまで落とし込む必要があります。
そのためには、「過去の自分に向けて書く」という視点を持つことで、内容にぶれがなくなり、読者のニーズにも自然と応えられるようになります。
広く届けたいという気持ちは理解できますが、結果的には誰にも刺さらないことになるため、まずは一人に響く本を作ることが出版成功への近道です。
初めて本を出す方ほど、「いろんな人に届けたい」という下心が出ます。
でも、それは一度我慢してください。
そして、
「過去の自分に向けて、何を伝えるか?」
この目線を持って、一点突破の企画を作ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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