「自分の知識・経験・ノウハウを本にして出版したい」
そんな想いを持っているあなたに向けて、累計60冊以上の著書を持ち、出版社経営者として何百人もの著者をプロデュースしてきた経験から、本を出版するために必要なすべてのステップをお伝えします。
なぜ今、商業出版に取り組むべきなのか?
実は、今が出版を目指すベストタイミングです。理由は2つあります。
1. 出版を目指す人が急激に増えている これからフリーランスになる人が増え続けています。会社員時代は必要なかった「信頼の証明」として、本の出版が重要になってきているのです。つまり、ライバルがどんどん増えているということです。
2. 出版社の審査基準が年々厳しくなっている おととし採用された著者が去年は採用されない、去年通った企画が今年は通らない。そんなことが頻発しています。
つまり、「出版したい人は増える一方で、採用難易度は上がり続けている」というのが現実です。だからこそ、今すぐ行動を始めることが重要なのです。
出版の4つの方法とその選択
本の出版方法は大きく4つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、最適な方法を選びましょう。
1. 商業出版(最もおすすめ)
メリット:
- 著者の費用負担が一切ない
- 書店に本が並び、ベストセラーを目指せる
- 本業のビジネスで大きく活躍できる
- 真の「著者」として認められる
デメリット:
- 出版企画書の作成が必要
- 編集者との交渉が必要
- 出版社の編集会議を通過する必要がある
2. 自費出版
費用を著者が負担する出版方法。最近は「商業出版っぽい自費出版」も増えており、500〜700万円かかるケースが一般的です。
3. 電子出版
注意すべきポイント:
- 電子書籍は売れない
- 電子書籍のコンテンツがそのまま紙の本になることはまずない
- 業界では「出版」とみなされない
4. 混合型
商業出版と自費出版の中間的な形態ですが、リスクが高いため推奨しません。
結論:商業出版を目指すことを強くお勧めします。
商業出版実現への3つのステップ
商業出版を実現するためには、以下の3つのステップをクリアする必要があります。
STEP1:出版企画書を作成する
出版企画書は、あなたの本のアイデアを出版社に提案するための最重要文書です。まさに「飛び込み営業の商品」のような存在です。
企画書作成のポイント:
フォーマットの基本
- Microsoft Wordで作成(PowerPointは使わない)
- A4縦、横書き
- フォントはWordのデフォルトのまま
- 数枚に収める(長すぎると読まれない)
内容に含めるべき要素
- ターゲット読者の明確化
- 年齢、性別、職業、興味関心を具体的に設定
- 「誰に向けて書くのか」を明確にする
- 読者の悩みと解決策
- 読者がどんな悩みを抱えているか
- あなたの本がその悩みをどう解決するか
- 競合書籍との差別化
- 同ジャンルの既存書籍との違い
- あなた独自の視点や新しいアプローチ
- 著者としての信頼性
- そのテーマについて語る資格があることの証明
- 専門性や実践経験の具体的な記載
- 書籍の構成
- 目次や章立ての提示
- 内容の充実度と完成度のアピール
よくある失敗パターン
- 自分のノウハウの説明ばかりになる
- 「自分の説明書」のような内容になる
- 読者の役に立つという視点が抜けている
STEP2:適切な出版社を選んでアプローチする
重要な真実:出版社選びで本の運命の8割が決まる
「出版できればどこでもいい」という考えは大きな間違いです。出版社にはそれぞれ得意分野とカラーがあり、営業手法も大きく異なります。
出版社選びのポイント:
- 自分のコンテンツに合った出版社を選ぶ
- 各出版社の得意分野を研究する
- 営業スタイルが自分の本に適しているかを確認する
同じ本でも、マッチしない出版社だと売上が半分以下、場合によっては10分の1になることもあります。
STEP3:編集会議を通過する
編集者が企画に興味を持ったら、次は出版社内の編集会議での承認が必要です。ここでは以下の点が重視されます:
- 市場性(売れる可能性)
- 読者のニーズとの適合性
- 著者の信頼性と専門性
- 競合他社との差別化ポイント
出版のスケジュール感を把握する
商業出版のスケジュールは以下の通りです:
- 出版企画書作成:1〜2ヶ月
- 編集者へのアプローチ:1〜2ヶ月
- 編集会議通過:1〜2ヶ月
- 執筆期間:2〜3ヶ月
- 編集・印刷・流通:3〜5ヶ月
合計:8〜10ヶ月
「3ヶ月以内に出版したい」というような無茶な要求は、出版社との関係を悪化させる原因になります。業界の常識を理解し、適切なスケジュールで進めましょう。
出版成功者が押さえている2つのポイント
出版できる人とできない人の違いは明確です。出版成功者は以下の2点を確実に押さえています:
1. 質の高い企画書を書くこと
- 読者目線で書かれている
- 市場性が明確に示されている
- 競合との差別化が明確
- 著者の信頼性が伝わる
2. そのテーマにマッチした出版社に企画書を見せること
- 出版社の得意分野を理解している
- 適切なアプローチ方法を使っている
- タイミングを見計らっている
多くの人が別のポイント(文章力や知名度など)に注力してしまいがちですが、最も重要なのはこの2点です。
商業出版を妨げる3つの壁とその乗り越え方
壁1:企画書が「自分の説明書」になってしまう
解決策: 常に読者目線で考える。「この本は読者にどんな価値を提供するのか?」を明確にする。
壁2:出版業界特有のフォーマットを知らない
解決策: 一般的なビジネス企画書とは全く異なることを理解し、出版業界の常識に従う。
壁3:コンテンツ量が不足している
解決策: 1冊分の文字量(通常6〜8万字)を書けることを企画書段階で示す必要がある。
まとめ:今すぐ行動を始めよう
商業出版は決して簡単ではありませんが、正しい方法を知り、適切な順序で進めれば実現可能です。重要なのは以下の点です:
- 今がベストタイミングであることを理解する
- 商業出版を第一選択肢として考える
- 正しい企画書の書き方をマスターする
- 適切な出版社選びを行う
- 業界の常識とスケジュール感を理解する
「いつか本を出したい」と思っているなら、その「いつか」は今です。出版を目指すライバルは日々増え続け、出版社の審査基準は厳しくなる一方です。
あなたの知識・経験・ノウハウを必要としている読者が必ずいます。その人たちのために、そして自分自身のビジネスのために、今すぐ出版への第一歩を踏み出しましょう。