こんにちは、木暮太一です。今回のテーマは『電子化』です。

電子化って電子書籍のことなんですけど、電子書籍にする権利っていうのは基本的には著者が持っています。紙の本を出版した際、出版社が電子書籍も出したいと言ってきます(通常)。そのとき、決定権を持っているのは著者です。著者が決定権を持っているので、出さなくてもいいわけですね。

ただ、基本的には紙の書籍を出した出版社で電子化するというのが普通です。で、著者は一応聞かれます。「電子書籍にもしていいですか?」って聞かれるんですけど、そこで「イヤだ」と言うんだったら相応の理由が必要になります。

断る理由もないので別にOKしたっていいんですが、もし絶対に嫌なんだったら「イヤだ」と言って構いません。でもちゃんと理由がないと「なんか信用してもらってないのかな」っていう感じで向こうはちょっと拗ねるというか、関係性が悪化する可能性はあります。

そしてその出版社で電子化しなくて「他の出版社で電子化したいんですけど」って言うのは、「なし」だと思って下さい。ある電子書籍プロデューサーを名乗る方が「電子書籍はどこの出版社でやってもいい」っていう風に言ってたらしいんですけど、それはないですよ。

基本的には紙の本を出した出版社でそのまま電子もやるっていうのが、普通というか――これはほぼ変えられない、ほかの出版社を好きに選んで出すということは、不可能だと思います。

なぜかって言うと、原稿に対してその出版社の編集者が手を加えたからです。ぼくらが出した原稿に対して、その出版社のその編集者が修正をしてくれたり、デザインを組んだり――作業をやってくれているわけじゃないですか。

その編集者の労力を完全に無しにして、「ほかの出版社で出します」って言うのは、出版社側としても「はい、わかりました」とはならないですよね。

なので、その出版社で出します。そもそも別の出版社で出したところで販売力変わらないので、意味ないですから。そのまま出したところで電子化した方がいいと思います。

電子書籍の印税率はいくら?

そして電子書籍の印税は、出版社によって本当まちまちです。基本的には紙の印税率と同じというところが多いですけどね。ただ電子の場合は「刷る」ということがないので、「刷り印税」の概念はありません。後で集計して、「何DLあったから」「どのくらい売れたから」印税がいくらくらいですよ、って感じで後日振り込まれてきます

著者デビューしたい人が、キンドル本(電子だけの本)を出しちゃうと、出版実現が遠のいてしまうんですが、紙の本を電子化するのであれば全く問題ないです。

むしろいろんな人に読んでもらえるよう電子化は積極的にやった方がいいです。結局はAmazonの販売力に頼るしかないので、どの出版社で出したから売れる/売れないということはないです。紙の本を出した出版社に任せましょう。