ビジネスには固定費と変動費がありますね。固定費の割合が大きくなると環境の変化に対応しづらくなり、ビジネスのリスクが大きくなります。このコストマネージメントは非常に重要ですし、多くの経営者が意識していると思います。

でも、もうひとつ大事なポイントがあると思っています。これってお金的なコストだけでなく時間的コストにも同じことが言えると思うんですよ。固定費ならぬ[固定時間]と変動費ならぬ[変動時間]です

こんな話があります。

木こりが森で木を切っていました。ただ、斧の刃がボロボロで全然切れていません。
それを見た人が言いました。

「斧の刃を研いでから切った方がいいんじゃない?」

木こりは答えました。

「ただでさえ忙しいんだ! 斧を研ぐ時間なんてはあるか!」

なんともコメディのような話ですが、実際にぼくらがやってしまいがちなことでもあります。時間がなさ過ぎて考える余裕すらなくなっている。時間がなくて、効率化への投資すらできなくなっています

企業勤めをしている人は毎日しなきゃいけないことが多い。つまり[固定時間]が長く、自由に動けません。環境が変わり、自分の生活スタイルを変えたくても、自分の時間がブロックされているからそれができない。

個人事業主でも同じです。毎日ブログを書かなきゃいけない人は、その時間が固定化されている。毎日クライアントのところに行って打ち合わせをしなきゃいけない人は、その時間がブロックされている。フリーキャッシュが不足するとビジネスができなくなるのと同じで、フリー時間が不足したら、ビジネスが厳しくなります。新しい勉強もできないしステップアップができなくなります。やらなきゃいけないとわかっていても時間がなくて手が付けられません。

となると、この先ずっと今いる場所から抜けられません。キャッシュも大事ですが、[固定時間]をどんどん減らしていることが、めちゃくちゃ大事だと思うのです。

[目の前の固定的行為]に縛られて、本当にやるべきことが見えなくなっています。こうなっちゃうといけませんね。まずは固定時間を減らし、フリー時間を作る。それが自分のビジネスと人生をコントロールすることになります。


振り返ってみると、誰かの人生にあこがれるとき、お金の自由よりも時間的な自由に関して触れることが多くないですか? 「あの人、毎日高い食事できてうらやましい!」というセリフはあんまり聞いたことがない。それより「あの人、毎日自由に生きていてうらやましい!」という人が多い気がします。

ぼくはハワイが好きで、コロナ前は年に4、5回ハワイに行っていました。仕事の関係者に「来週からハワイに行ってきます」というと、すごくうらやましがられます。でもみんなが羨ましがっているのは、ぼくがハワイに行くお金があるということよりも、ぼくが事由にハワイに行く時間があるってことです。みんな、自由な時間がある、好きな時に好きなことができる、好きな場所に行けることを羨ましいと思っています。

逆に、どれだけお金を稼いでいても、まったく休みが取れない人にあこがれることは少ないと思いませんか? 「1億円あげるから、24時間・365日働いてください」といわれてOKしますか?

収入は非常にわかりやすい指標なので、多くの人が最初は「お金持ち」を目指そうとする。そして、自分が望む人生にある程度のお金が必要ということも事実だと思う。でもそろそろ「時間持ち」を目指すように切り替えてもいいじゃない? と思っています。

特にコロナの影響が引き続き継続している今だからこそ、時間をリストラするチャンスです。「コロナなので対面ではなく、Zoomで」は問題なく受け入れてもらえるはずです。無駄な訪問、無駄な打ち合わせを辞められます。それに付随して無駄な資料作りもなくなるし、無駄な営業もなくなるかもしれません。

結局のところ、ぼくらが持っている資源はお金と時間です。この2つを自分のために使えなければ、ぼくらの生活は好転していかないでしょう。固定費と固定時間を減らし、自分のために使えるように整えていくのがいいと思う。

ぼくは今月から働く時間をかなり減らします。計算してみたら、仕事も含めブロックされている時間は、10%程度です。残り90%はぼくが自由にできる。場所に関しては、ほぼ完全に自由になりました。つまりどこにいても仕事ができる。この生活、すごくいいですよ。

ちょっとやっててみたら飽きるかもしれません。来年になったら、また違うことを言っているかもしれません笑 新たに会社を作って上場を目指してるかもしれません。でもそれも含めて、ぼくがやりたいことを自由にできるようになっています。「自由持ち」、最高ですよ。


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