アイディアが出てこない時、考えがまとまらない時は、自分の頭で考えても結果につながらない。考えをまとめるときには、外部に比較対象が必要です。

人はそれを見て、「自分が思っているのと違う」「自分はそう思っていない」など感じることができます。

ちょうど鏡を見て自分の容姿を判別するように、自分が考えていることは、外部との比較でしか捉えることができません

たとえば、理想の働き方をしたいと思っている人がいます。でもその人は自分の頭の中だけでゼロから[理想の働き方]を組み立てることはできません。

誰かから「理想の働き方って、こういうものですか?」と例示されて初めて「そうそう!」「いや、ちょっと違う」が出てくる

そして「ちょっと違う」と感じることで、どこがどう違うかを自分で焦点を当てて考えることができる。

すばらしい商品を作りたいなら、まず、すばらしい商品を体験して「自分だったらどうするか」を考える。そうすることで、はじめて「自分にとってのすばらしい商品」がまとまってくると思うんです。

これは自分のノウハウも一緒。自分のノウハウを言語化するためには、他者を知らなければいけません。他の人の主張を聞くことで「いや、私は違う意見です」「そうじゃなくて、こうなんです」と、自分の意見が固まっていきます。

すごく逆説的なんだけど、自分が考えていることは自分ひとりでは言葉にはならない。

外に目を向けよう。誰か・何かとの比較で自分を見てみよう。そうすることでだいぶ自分が考えていることが明確になってきます。

自分の商品を差別化したいときも同じように他人と比較しなければいけません。当たり前のことですが、自分一人で差別化を打ち出すことはできませんね。誰かと比較するからこそ、自分の売りが見えてくるわけです。

比較するまでもないと思っている要素ほど、他人と比べてみるといいですね。「比較するまでもない要素」は、自分では当たり前になっているため、そこに大切な売りポイントがあっても気づきません。反対に致命的な欠陥があっても見つけにくいです。

そして、比較するために必要なのは「周りを知ること」です。「この商品を扱っているのは私しかいないんです」「同業他社と一緒にしないでほしい」と言いたい気持ちはわかります。でもそれでもライバル商品を買ってみてください。そして違うポイント、自分の方が(お客さんから見て)優れているポイント、自分の方が劣っていそうなポイントを探してみましょう。

人間は「比較の動物」といわれます。比較することで考えやすくなりますし、いろんなことが見えやすくなります。