こんにちは、木暮太一です。
2025年5月21日より、僕の新刊
『当てはめるだけでパパッと伝わる 言語化組み立て図鑑』
が全国の書店で流通開始となります。
正直なところタイトルが少し長くてスラスラとは言えないのですが、「言語化組み立て図鑑」と覚えていただければと思います。
この本は図解やイラストが豊富で、分量も多めです。
とはいえ、仕上がりはとても軽くて持ち運びやすい一冊になりました。
これまでの僕の本とはサイズ感も印象も違うので、ぜひ書店で手に取ってみてください。
※できればAmazonではなく、街中のリアル書店でお求めいただけると嬉しいです。
さて、今日も出版の裏側についてお話ししていきます。
出版が通る企画に必要な「切り口」
さて、ここからが本題です。
今回は「どういうテーマを提示すれば出版企画が通りやすいか」というお話です。
結論からお伝えすると、売れている本と同じ“切り口”を使えば、企画は通りやすいということです。
なぜかというと、編集者は印象で判断するからです。
売れている切り口をなぞれば通りやすい
例えば、暗号通貨で言えば「ビットコイン」の印象が良ければ、似たような通貨も注目されやすくなるという現象がありますよね。
それと同じで、出版も「これ、あの本っぽいね」と思われれば、印象が良くなり採用されやすくなるというわけです。
多くの人は「中身」で勝負しようとしますが、編集者が見るのは切り口やテーマの魅せ方です。
企画書にすべての内容を書くことは不可能なので、実は「何を書くか」より「どう見せるか」が大事になります。
クオリティより“売れ筋ジャンル”に寄せる
出版企画書を見て、編集者が「中身が良いから出しましょう」と判断することはほとんどありません。
むしろ、過去に売れたジャンルに近いかどうかという視点で評価されます。
つまり、「中身のクオリティ」で採用されるのではないということ。
これは多くの人にとってショックかもしれませんが、現実として売れている企画の切り口に近づけることが重要です。
「同じ切り口」=「中身も同じ」ではない
ここで誤解しないでいただきたいのは、売れている本と「中身」まで同じにする必要はないということです。
たとえば、「今カレーが流行っている」としたら、「じゃあ私もカレーを作ります」という考え方で良いのです。
ただし、味や作り方は自分独自のもので問題ありません。
つまり、
- ゴール(ジャンルやテーマ)は同じにする
- アプローチ(内容やノウハウ)は自分らしさを出す
このバランスが取れている企画が、採用されやすいということです。
問題:どれが「売れている切り口」なのか分からない
しかし、ここで新たな問題が出てきます。
「そもそも、どの本が売れているか分からない」ということです。
100万部突破のような明らかなベストセラーは別として、実際に売れている本の多くはジャンルごとのニッチな成功です。
たとえば「1万部」「3万部」でも、そのジャンルでは十分ヒットとされます。
ただし、Amazonのランキングやレビュー数はあてになりません。
Amazonジャンル1位は簡単に取れますし、「平積みされている=売れている」というのも誤解です。
本当の売上は、POSデータ(販売実績)を見ないと分からないのです。
自分で判断しない
売れている切り口をなぞるには、正確なデータを元にした判断が必要です。
しかしそのデータは、出版社の経営層や営業部長クラスしか見られません。
僕は出版アドバイザーとして、かつ出版社の経営者として、そのPOSデータを見て判断できる立場にありますが、一般の著者は見ることができません。
だからこそ、「これは売れている切り口だ」と自分で判断しないことが大切です。
仮説を立てるのは良いのですが、売れていないジャンルに寄せると評価が大きく下がる可能性もあるのです。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 出版企画は「売れている本の切り口」に合わせると通りやすい
- 中身が同じである必要はなく、ゴールだけ合わせれば良い
- 売れているかどうかは、Amazonなどでは判断できない
- 自分で判断せず、データを見られる立場の人に聞くことが重要
つまり、出版企画は一人でやるには限界があるというのが結論です。
もし本気で出版したいと思っているなら、「売れている切り口」を一緒に見つけてくれる人と組むのが一番確実です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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