はじめに
こんにちは、木暮太一です。
今日も出版の裏側についてお話ししていきます。
最近あったかくなってきましたね。僕も今日は半袖で過ごしています。
怪我も治って、ようやく筋トレも再開しました。
さて、今日のテーマは「本を売るために何をしたらいいのか」という出版のマーケティングについてです。
本を出したら、やっぱり売れてほしい
本を出す人って、基本的には「売れなくていい」なんて思ってないんですよ。
中には強がって「いや、別に売れなくていいんだよ」って言う人もいますけど、じゃあ「売れるのと売れないのどっちがいいですか?」って聞いたら、「売れない方がいいです」なんて言う人絶対いないんです。
ただ、どうやったら売れるのかが分からない。
だから行動できない。
だから「売れなくていいよ」なんて照れ隠しをしちゃう。
でもね、やり方、あるんです。
だから僕は、重版増刷を欠かさない。
本を出せば、毎回必ず増刷されます。
せっかく本を出すんだったら、売れた方がいいに決まってますよね?
「リンク貼って拡散」は意味がない?
よくあるのが、
- Amazonのリンクを貼る
- SNSでバズらせる
こういうやり方。
でもあんまり意味がないというか、やめた方がいいんです。
書籍マーケティングは2段階構成
そもそも「書籍マーケティング」と一言で言っても、やるべきことは2段階あるんですよ。
- 本を知ってもらう
- 本を買ってもらう
この2段階をしっかり分けて考えなきゃいけない。
でも多くの人がこの切り分けができてない。
「とにかく存在を知らしめればいいや」と思って、とりあえずリンクを拡散しちゃう。
でもね、それが一番いけないパターンなんです。
なぜAmazonリンクは逆効果になるのか?
Amazonのリンクを拡散すれば、
- 本の存在を知らせる
- すぐに買ってもらえる
この1・2両方を一気にクリアできるような気がしますよね。
短期的には確かにそうかもしれない。数日間だけなら。
でも、書籍は長期戦です。
そのときに重要になってくるのが…
書店に並ぶこと、それが最大の広告
ポイントは「書店」なんです。
書店に並んでいるということが、最大の広告なんです。
これは僕が小説家の五木寛之さんと仕事をしたときによく言われたことなんですけど、
「書店に並ぶことが最大の広告だ。いい場所に並べなさい。」
出版業界では昔からこう言われてきました。
「出版は不動産業」とも言われるぐらいで、書店内の“いい場所”を取った人が勝つんです。
Amazonだけではダメな理由
Amazonでリンクを拡散しても、それで買ってくれる人はもちろんいます。
でも、その人たちはリアル書店で買わなくなるんですよ。
そうなると書店では売れなくなって、返品されて棚からなくなる。
そうなると、他の人の目に触れなくなる。
発売して1〜2週間で店頭からなくなってしまうこともザラにあります。
大事なのは「長く書店に置いてもらうこと」
SNSで「本屋さんにこんなに並んでました!」って写真をアップする人、よくいます。
それはそれで嬉しいことです。
だけど、それだけじゃダメなんです。
大事なのは「長く」置いてもらうこと。
一瞬だけ、3日間だけ、10日間だけ。
これは実は「棚を買っている」だけなんです。
お金を払ってスペースを借りている。
期間が終わったら、買い取って撤去しなきゃいけない。
それでは意味がない。
書店への挨拶は必要? → 今は違う!
「書店に挨拶に行った方がいいですか?」という質問、よくもらいます。
昔は YES だった。
でも今は NO です。
マナーがわからないまま行ってしまうと、出版社に怒られてしまうんです。
書店員さんじゃなくて、出版社が「何してくれてんの」ってなる。
特にコロナ以降は状況が変わりました。
じゃあどうする?正しい書店戦略
書店に行くにしても、
- マナーをしっかり学ぶ
- 出版社の営業部などに相談する
- 売れている書店に絞る
という条件が必要です。
そうでないなら、基本は行かなくていいと思ってください。
本を売るマーケティング:2段階を意識して行動する
マーケティングには、
- 見つけてもらう
- 買ってもらう
この2段階があります。
このうち「見つけてもらう」ためにとった行動が、逆効果になるケースが非常に多いんです。
特にネットプロモーションは、うまくいかないことの方が多い。
データを見れば明らかです。
この記事のまとめ
出版業界では今でも、リアルの書店が本を広めてくれる最大の力です。
Amazonが最大の書店であっても、広げてくれるのはリアル書店の現場の人たちです。
その現場の人たちを大切にできるかどうか。
そこが、本の売れ行きを大きく左右するんですよね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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