「いつか自分の本を出したい」と思ったことはありませんか?
その夢を現実にするための第一歩は、正しい知識と行動から始まります。
この記事では、本を出版するにはどうすればいいか、商業出版を実現するための具体的なステップと心構えをご紹介します。

商業出版とは何か?

「商業出版」とは、出版社が出版費用を負担し、著者は印税をもらって本を執筆します。
著者が費用を負担する自費出版とは異なり、出版社が企画の内容や市場性を評価し、採算が取れると判断した場合に実現します。
そのため、商業出版を目指すには、出版社にとって魅力的な企画を提案する必要があります。

商業出版を実現するための5つのステップ

1. 出版企画書を作成する

商業出版の第一歩は、出版企画書の作成です。企画書には、以下の要素を含めることが重要です。

  • 書籍のタイトルと概要
  • 対象読者とそのニーズ
  • 類書(競合書籍)との差別化ポイント
  • 著者のプロフィールと専門性
  • 目次案

企画書は、出版社にとっての「提案書」です。読者のニーズに応える内容であることを明確にし、出版社が採用したくなるような魅力的な企画を練り上げましょう。

2. 編集者にアプローチする

企画書が完成したら、次は出版社の編集者にアプローチします。
編集者は日々多くの企画書を受け取っていますが、ほとんどの企画書が「箸にも棒にも」という状態です。そのため、単純にアプローチするだけでは即ごみ箱行きになってしまいます。読んでもらうための仕掛けを考えてアプローチしなければいけません。

セミナーやイベントで直接会う機会を作ることも効果的と言われていますが、セミナー・イベントなどの対面で出会う場合、より短い時間で自分の企画の魅力を伝えなければいけません。それ相応の準備をしていかないと「つまらない著者」として印象付けてしまうことになりますので注意が必要です。

3. 編集会議を通過する

編集者が企画に興味を持った場合、社内の編集会議で企画の可否が検討されます。
この会議では、企画の内容だけでなく、著者の実績やプロモーション能力も評価されます。最近は著者がどれだけ拡散力があるかを問われるケースが増えてきました。ある出版社(K社)では、企画の内容ではなくSNSのフォロワー数だけでほぼ企画の可否が決まっています。

ただし、ほとんどの出版社ではSNSのフォロワー数は関係がなく、別の要素も加味して判断してくれます。
著者自身がどのように本を売っていくかの戦略を持っていることが重要です。

4. 執筆を行う

企画が採用されると、いよいよ執筆に取り掛かります。
執筆期間は通常3ヶ月程度が目安とされていますが、編集者とのスケジュール調整が必要です。
また、執筆中も編集者とのコミュニケーションを密にし、内容の方向性を確認しながら進めることが大切です。

5. 編集・印刷・流通

原稿が完成したら、編集者による校正やデザイン作業が行われます。
その後、印刷・製本され、書店やオンラインストアで販売されます。
この段階でも、著者自身がプロモーション活動を行い、読者への認知を広げる努力が求められます。

商業出版を実現できる人の特徴

商業出版を成功させるためには、以下のような特徴を持つことが望ましいとされています。

  • 専門性と経験:特定の分野で5年以上のキャリアがある、または10年以上そのテーマに取り組んできた経験がある
  • 企画書作成能力:読者のニーズを捉え、魅力的な企画書を作成できる
  • プロモーション能力:ネット・リアル両方でプロモーションを行い、自ら本の販促活動を行える
  • 出版業界の理解:出版プロセスや業界の常識を理解し、適切に対応できる

これらの要素を備えていることで、出版社からの信頼を得やすくなり、商業出版の実現可能性が高まります。

自分の専門性を見つける方法

出版企画を考える際、自分の専門性を明確にすることが重要です。
過去の経験やスキルを棚卸しし、読者にとって価値のある情報やノウハウを提供できるテーマを見つけましょう。
例えば、「コミュニケーションの専門家」として活動している場合でも、より具体的には「話し方」「聞き方」「メールの書き方」など、絞ったテーマの方が読者のニーズに刺さりやすくなります。

まとめ

本を出版するには、企画書の作成から始まり、編集者へのアプローチ、編集会議の通過、執筆、そして出版後のプロモーションまで、多くのステップを踏む必要があります。
しかし、正しい知識と準備を持って臨めば、出版の夢は現実のものとなります。
まずは、自分の専門性を見つけ、魅力的な企画書を作成することから始めてみましょう。

この記事が、あなたの出版への第一歩となることを願っています。