はじめに
初めて本を出す場合、どれくらい売れるのか?
がんばって書いたのはいいけれど、100万部を目指せるのか? それとも100部くらいしか売れないのか?
みなさん、さまざまなイメージをお持ちだと思います。
結論から言うと——
初めてだろうが、60回目だろうが、あまり変わりません。
僕自身、出版業界に長く関わり、出版社も経営している立場ですが、過去の実績を積み上げている人は少数派。
ほとんどの人は「ゼロからのスタート」になります。
だからこそ、
「初めての出版=不利」ではない。むしろチャンスがある!
そんなふうに考えてもらえると嬉しいです。
出版は、毎回「ゼロからのスタート」
初めてだろうと、2回目・3回目だろうと、出版は毎回ゼロからのスタートです。
新しい本が出たら、
「よーいドン!」で、また一からやり直し。
だから、
「初めてだから売れない」なんて思わなくてOK。
むしろ、やり方次第では初出版でもベストセラーになれます。
本が売れる最大のポイント
では、何が出版成功のカギを握るのか?
それは…
「出版社のイチオシになること」
これが、一番大事です。
出版社は毎月たくさんの本を出しますが、その中でも「今月はこの本を押していこう」と一押しタイトルを決めます。
営業担当が書店に売り込みをかけるとき、全ての本を同じようにプッシュするわけではありません。
当然、押す本と押さない本に差が出る。
つまり、
イチオシになれば、売れる。
逆に、サブになってしまったら、ベテラン作家でも売れません。
著者の実績や知名度は関係ない
本を売るのに、著者としての実績はほとんど関係ありません。
知名度も、ほぼ無関係です。
みなさんも本を買うとき、「この著者を知ってるから買う」より「タイトルや内容に惹かれて買う」ことが多いですよね?
だからこそ重要なのは、
「目立つ場所に並ぶこと」=「見つけてもらうこと」。
出版の現場は、熾烈な競争
出版業界では、営業日ベースで毎日約300冊もの新刊が発売されます。
つまり、自分の本だけが並ぶわけではありません。
「今日から300冊の新刊のうちのひとつ」として、
横一線でスタートするんです。
だから、「今日が私の本の発売日!」じゃなくて、
「今日、私の本も発売された!」
この意識がとても大切です。
イチオシを目指すことがすべて
出版成功のためには、
「出版社の中で一押しになること」だけを考える。
もし一押しになれなかったら…
- いい場所に並べてもらえない
- 書店員の目にも止まらない
- 読者にも見つけてもらえない
当然、売れないという結果になります。
初出版こそ、アドバンテージがある!
「私には知名度がないから…」と心配する必要はありません。
むしろ、初めてだからこそ、謙虚に努力できる。
それが武器になります。
最初からあぐらをかいているベテランより、よほど成長スピードが速いです。
だから、全力で「一押し」を目指しましょう!
本を売るには「初速」が命
本を売るうえで大事なこと、それは初速です。
初速=発売後2週間の売れ行き。
この2週間で勢いが出ないと、
- 書店から返品される
- 出版社も後押ししてくれない
つまり、本が市場から消えていきます。
間違った初速戦略に注意!
よくある間違いが、
「発売後3日以内に大量に売りまくれ!」
というやり方。
これ、完全に間違いです。
書店員をやっていた僕からすると、そんなことしてもバレバレ。
ある1日だけ異常に売れたグラフが出ると、
「この人、やらせたな」と見抜かれます。
そして出版社は、一気に冷めます。
正しい初速の作り方
正しい初速戦略は、
発売後10日〜2週間にかけて、平均的に売ること。
・イベントを打つ
・SNSで話題にする
・メディアに露出する
こうして、毎日売れる流れを作っていく。
これが、出版社に「この本売れてるな」と思ってもらうコツです。
この記事のまとめ
- 初出版でも有利・不利はない(スタートラインは全員同じ)
- 本が売れる最大のポイントは「出版社のイチオシになること」
- 著者の実績・知名度はほぼ無関係
- 出版は「今日からスタート」意識が重要
- 初速は3日じゃない!「10日〜2週間」でじっくり売り伸ばす
- 平均的に売り続けることが、本当に売れるコツ!
初めての出版でも、十分チャンスはあります。
実績も知名度も必要ありません。
ただ、「出版社のイチオシになること」、これだけに集中してください。
この後、どうすればイチオシになれるか、具体的な方法も別のコンテンツで紹介していきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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