はじめに

こんにちは、木暮太一です。

僕が以前書いた本『リーダーの言語化』でも触れた話です。
この本の表紙には、「いい感じにお願い」と指示しているリーダーが描かれています。
メンバーは「わかりました!」という感じで動こうとしているんですが…

ちょっと待って、それって結局、何をやればいいの?

「よしなにお願いします」が流行語だった会社で

僕もリクルート時代、すごく言われたんですよ。

「よしなにお願いします」

この「よしなに」って、まあ「いい感じに」って意味なんですが、
上司からの指示がこういうふうに、抽象的だったり曖昧だったりすること、ありませんか?

共通認識がないと、部下は苦しむ

曖昧な指示が来たとき、部下ってどうすると思いますか?

指示された感じがあるから、もう何も聞けない。自分で考えるしかない。
でも、その“よしなに”がリーダーの頭の中とズレてたら…

「いや、そういうことじゃないんだよ」

って、あとからダメ出しされるんです。

察してくれ、じゃなくて、言ってくれ

「察しろ」って言うけど、
それって指示としてどうなんですかね?

たとえば、晩ごはんに何食べたいか考えてて、誰かに

「いい感じに作って」

ってお願いしたらどうなると思います?

レストランで「私の好きなものを、いい感じでお願いします」って言ったら、
「はぁ?」ってなるでしょ。

指示はオーダーです。言語化しなきゃ伝わらない

指示を出すっていうのは、明確なオーダーを出すこと。

最近では『PHPのThe21』という雑誌でも「リーダーの言語化」が特集されていました。
僕も、EXILEの貴大さんと一緒に取材を受けてます。よろしければぜひご覧ください。

「明確に言うと考えなくなる」って本当?

リーダーの中にはこういう反論をする人もいます。

「明確に言っちゃうと、メンバーが考えなくなるからダメだ」

その気持ち、わからなくもないです。

でも、そう言ってる背景には、
「自分が明確にできないから相手に任せちゃってる」ってパターン、多くないですか?

リーダーが曖昧だと、責任転嫁になる

リーダー自身が内容を明確にできていない。

それを認めたくなくて、
「考えるのはメンバーの仕事だから」って責任を押し付けてしまう。

もちろん全員がそうだとは言いません。
でも、少なくとも僕の経験では、そういう上司、多かったですね。

明確な指示があるから、チームは動ける

スポーツの世界で言えば、プレイヤーが動くためには、
監督の明確な指示が必要です。

スクイズのサインがあるから選手は動ける。
そして勝てるんです。

ビジネスでもまったく同じです。

指示を明確にする魔法の言葉:「ために」

では、リーダーはどうやって指示を明確にするのか?

その答えがこちらです。

「◯◯してください。そのために、△△をしてください」

これです。

たとえば、資料が来たとします。
ちょっとイマイチだなと思ったとき、

「もっと顧客に刺さるようにして」

って言うだけじゃ、伝わらないんですよ。

「刺さる」って、どこに?どうやって?

「刺さる」って抽象的な表現は、イメージできないんです。

だから、

「顧客に刺さる資料を作ってください。そのために、顧客のニーズを拾ってください」

さらに言えば、

「そのニーズを拾うために、顧客に電話してください」

あるいは、

「同業他社に提案した資料を集めて読んでください」

ここまで言えば、メンバーも 「ああ、こうすればいいんだ」 と動けるようになります。

まだ見えてなければ、一緒に考えればいい

「そのために、誰々さんに聞いてください」
「そのために、一緒に考えよう」

これでいいんです。

リーダーの仕事は、正解を提示することじゃない。
明確にすること。

最後に:リーダーは“ファシリテーター”であれ

リーダーは必ずしも答えを持っている必要はありません。
一緒に考える、問いを投げる。

それがリーダーの役割です。

この記事のまとめ

  • 「よしなに」「いい感じに」は指示ではない
  • 部下が動けるように、言葉を明確にする必要がある
  • 指示を明確にするには「ために」を3回繰り返す
  • 正解を出せなくてもいい、「共に考える姿勢」が重要
  • リーダーはファシリテーターであれ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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