こんにちは、木暮太一です。ぼくは商業出版のやり方を教える講座を10年くらいやっていて、日々数十件の企画をコンサルティングしています。

受講生と話していて気づくことがありますが、最近、出版社から「プロモーションの協力をしてください」と言われることが増えています。自分が本を出します。その本を出した出版社から、プロモーションの協力をして欲しいって言われるんですね。

これに関する解説をYoutubeにアップしましたので、ぜひご覧ください↓

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自分の本ですからプロモーションの協力をするのは当たり前のことかなとも思いますが、じつはこの「プロモーションの協力」はみなさんがイメージするものとちょっと違っています。結論から言いますと「お金出してください」っていう意味なんです。

「あなたの本、売りたいですよね? 世に広めたいですよね? じゃあうちが頑張ってプロモーションしますから、そのプロモーションにかかるお金を負担してもらえませんか?」っていうような意味なんです。

もっと直接的に言うと「あなたの印税を自分たちがまあうちの出版社が出す広告費にあててください」ということです。

本を出すと印税をもらえます。金額にしてだいたい数十万円から100万円くらいです。この印税、本来は著者に支払うわけです。でもそれを払わず広告費として使いたいという打診ですね。

本当だったら自分がもらえるお金ですし、それなりに大き目の金額です。でも人はもらう前のお金に対しては意識が薄いので、多くの著者が広告費に充当するに対してOKしちゃうんです。

印税をもらった後から、「広告費として100万円くらい出してくれませんか?」と打診されたら断る著者が多いでしょう。でも、もらう前のお金なので「自分のお金」という意識が薄くなっちゃって、割と気軽にOKしちゃいます。

本を売りたい気持ちはわかります。でも、なんですけどこれダメです。やっちゃダメです。

なぜか? 理由は単純で、意味があまりないからなんですよ。

今の時代、広告を出しても、さほど売れません。というか、ほとんど効果がありません。

売れている本の広告を出すとさらに爆発的に売れることがあります。すでに火がついているものに広告を投下するとさらに火が大きくなる。でも、まだ売れていない、まだ火がついていない本の広告を出しても、ほぼ影響を出すことができない。

一方でその広告には100万円単位のお金がかかります。100万円単位のお金を使ってほぼ効果なし。これはなかなか悲しくなります。

プロモーションにお金を使うことが悪いわけではありません。使うのであれば、ちゃんと使い方を考えなきゃいけないってことです。

著者が自分の時間とお金を使ってできることは、本を広めることではありません。本を売ってくれる仲間を増やすことです。ぼくは実際、自分でコストを支払って仲間を作る活動をしています。全国をまわり、イベントをします。イベントの目的は本を買ってもらうことよりも、本を売ってくれる人を増やすこと。実際にそれをやることでぼくの本は毎度毎度ベストセラーになっていきました。

努力することは大事ですが、単にコストを払えばいいというわけではないですね。自分の時間とお金は大切にしましょう。