こんにちは、木暮太一です。ぼくは自分で主催している出版塾(商業出版をするためのノウハウを教える講座)で、出版以外についても話します。単なる雑談に聞こえているかもしれないけど、著者になるのであれば、専門分野以外でも自分の見方を世の中に提示することって大事なんですよね。その例を示す意味もあって、商業出版以外にもいろいろ話します。
この前話をしたのが、「値札を見ないで買い物をしたい」というフレーズについてです。
お金持ちになって、値札を見ないで買いたい
「お金持ちになって、値札を見ないで買い物をしたい」ってよく言われてるけど、あれってだいぶ違うと思う。「値札を見ずに、ほしいものをすぐ買える人=お金持ち」的なイメージだけど、実際にはお金持ちでそんな人はいないと思う。
(アラブの石油王みたいなスーパーウルトラお金持ちは別ですが)自分がいくらのものを買っているかというコスト感覚を持っていない人はお金持ちになれないし、一時的に小金持ちになったとしてもすぐお金なくなっちゃうでしょ。
ぼくの周りでもお金を持っている人ほど、コスト感覚を持ち合わせています。そして価値に見合わない買い方はしない。もちろん値札は見る。
ぼくの感覚だと、お金持ちは「値札を見ないで買い物ができる人」ではなく、「貯金残高を気にせずに生活できている人」ですね。そもそも「お金持ち」かどうかは、その人の生活サイズによるわけです。ぼくはコロナになってだいぶ生活費が下がって、だいぶ「お金持ち」になりました。この1週間で使った金額は1万円ちょっとです。わりとすごいでしょ?
節約はしてませんよ。買いたいものを買っています。飲みにもいかないし、最近は自炊の生姜焼きにはまってるし、そんなにお金使わなくないですか?お金持ちって、いくら銭を持っているかじゃないと思うんです。要は気分の問題かと思うのです。ちゃんと値札は見て買いましょう。ぼくも昨日、130円のキャベツをちゃんと値段見て買いました。
「値札を見ないで買いたい」に対する違和感
そして、以前からこの「お金持ちになって値札を見ないで買い物したい」というフレーズに違和感を持っているんですが、この違和感の正体が自分なりに見えてきました。
値札を見ないで買い物をしたいとか、ほしいものを全部ガマンせずに買いたいとか、そうフレーズに対して嫌悪感が出てくるのは、なんかアホっぽいからかなと思った。
好きなものを何でも買えるようになりたいと憧れるのは、「何も考えずに買いたい」ということに等しい。つまり、自分の価値観に合っているかどうか、これは本当に値段に見合うものなのかを考えずに買いたいということで、「難しいことは考えずに買い物をしたい」という意味かなと思うんです。
これは非常に短絡的な思考に見えます。
値段が高くても自分の価値観に合っているものは買うべきものです。自分の価値観もよくわからないままに貯めこんだり、使ったりするのは賢くないです。というかダサい。 単にお金を稼ぐこと、お金を貯めこむことだけを考えている人より、自分の価値観を持って仕事したり買い物したりしている人の方がかっこいいです。稼ぐ金額をいくら増やしても価値観と方針がない人はカッコ悪い。金額にかかわらず、自分を持っている人はカッコいい。ぼくはそんな価値観を持っているんだなと自分で気づきました。