多くの人が副業をやろうとしています。副業で新しい収入の柱を作って、現場の生活を改善させようと思っています。ただ新しい仕事を始めた後で自分の生活が楽になるわけではないです。仮にそれが新しい仕事が労働集約的な場合、つまり自分が働かないと収入が入ってこない場合収入を増やすためには、より長く働かなければいけないことになります。

となると収入を増やそうとすればするほど自分の時間が減っていくことになる。可処分所得は増えるけれども、可処分時間が減っていて自分の自由な時間が減っていく。そして自分が目指していた人生から遠のいていく可能性もあります。

ラットレースの輪から抜けられない仕事を「ラット労働」、そしてラット労働から得る収入を「ラット収入」と名付けました。ラット労働、ラット収入がいくら増えても、あなたはラットレースの中にいます。それでは事態は改善しません。

ぼくらがやらなければいけないのは、副業をすることではなくて、つまり収入のルートの数を増やすことではなくて、今ある収入をどんどん貯めていくこと。つまりストック化させることなんです。

ストック化とは何か?

ストック化とは簡単に言うと、「過去の労力を将来に活かすこと」です。

今日何か仕事をします。今日働きます。でもほとんどの場合、その今日の努力は今日で消えてしまい、また明日も同じように頑張らなければいけません。これはストック化されていない状態です。

サラリーマンでいえば今日働いたからといって、明日休んで良いわけでは無いです。今日働いたとしても、「がんばりましたね、お疲れ様でした。また明日もお願いします」となります。今日がんばったからといって明日仕事をしなくて良いとはなりません。つまり毎日毎日労力がリセットされるんです。

また、今日やったことを明日もやらなければいけないことが多々ありますね。今日、ある会社に営業に行って商品の説明をしたとして、明日も同じように商品説明しなければいけません。

「昨日も同じことを別の会社で話したから、御社には話さなくていいですよね」とはならない。

サラリーマンの仕事を例に話しましたが、通常のビジネスも全般的にそのような構造になっています。

今日働いても明日その労力は引き継がれない、つまり積み重なっていかずに今日の労力は今日の労力で終わります。今日いくら頑張っても明日はまたゼロリセットで1からやんなければいけない。そんな働き方になっているんです。

今日のがんばりは、明日に積み重なっている?

その今日のがんばりは、明日の土台になっているでしょうか? 経験という意味では明日にも生きるかもしれません。でもその分、あなたの労力、労働時間は減っていますか?

副業をやって収入の流れを増やしても、ストック化されていなければ、いつまでたってもラットレースから抜けることができません。

つまり自分が毎日同じようなことをやっていかなきゃいけないし、自分の時給が全然上がっていかない。さらには同じことをやるのに毎回同じ労力をかけなければいけない。そんな感じになってるわけです。

これをストック化させるように自分で構築していかなければいけません。

例えば学校の先生です。学校の先生の労力は全くストック化されていないと思います。

学校の先生は素晴らしい仕事だと思います(ぼくも小さい時になりたかった職業も学校の先生でした)。なので敬意を持って接していますが、ただ学校の先生の労力がストック化されていないということは否定できません。

授業は毎年毎年ゼロリセットですよね。小学校1年生の担任になったとしましょう。小学校1年生に1年間頑張っていろんなことを教えます。そして子供たちはいろんなことを身に着けて進級していきます。

でも、来年新しい子供たちが入ってきたら、新しい子供たちにまた同じことをゼロから教えなきゃいけないですよね。去年やった授業と全く同じ授業をまた1年間やらなければいけません。そしてそれは来年、再来年、またその次の年と、延々と繰り返されていきます。

今年1年がんばれば、来年楽になるわけではないです。多少慣れがあって少しは楽になるかもしれませんけれども、かかる時間は同じですし、同じ程度の体力を使わなければいけない。

先生に限らず、ぼくらが目指すのは1回やった事を次やらなくて済むようにする、もしくは1回やったことをベースにして次の仕事をすることです。そして、同じ成果を上げるための労力をどんどんどんどん減らしていくこと。

その仕組みを作り、日々の労力を減らしていくことを考える方が、副業をして新しくラット収入を得るよりも大事なことだと思います。


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