今日は、[自分で考える弊害]について話をします。「考えない弊害」ではなく、「自分の頭で考えることで起こる弊害」です。
「自分の意見を持て」
「まずは自分で考えろ」
「すぐ人に相談するな」
などなど、課題があったら自分で考えることが推奨されていますし、子供の時からそういわれてきましたね。だからぼくらは何かわからないことがあっても、人に相談する前にまず自分で考えなきゃって思うわけです。
たしかに、自分の頭で考えることは大事です。
ですが、自分の頭で考えることが、すべていいわけではありません。
自分で考えていると、ほとんどの場合こうなります↓
いつも同じようなお題について
同じような経路で
同じような問いかけを
自分に投げかける
ことになります。
そこで出てくる答えやアイディアは、だいたい「同じようなもの」ですね。そして、これを繰り返していくと、自分でも気づかないうちにその考え方が固定化されてしまいます。考えれば考えるほど自分の思考の枠を強化してしまい、新しい発想が出てこなくなるんです。
たとえば、働き方に悩んでいる人がいます。「この先、どうしようかな……」と悩みます。そして考えます。
「新しい職場を探そうかな」
↓
「そのためにはスキルアップをしなきゃな」
↓
「何か勉強しよう」
↓
「何を勉強したらいいかわからないな」
↓
「うーん……、どうしよう……」
と答えが出ません。
このまま放置するので、また数週間後に同じ悩みが出てきます。そしてまた考えます。でも浮かんでくるのはまた同じ問いかけです。
「やっぱり新しい職場探そうかな」
↓
「だとすると、やっぱりスキルアップだな」
↓
「やっぱり勉強するしかないな。何を勉強しよう……」
↓
「あれかな、、、これかな、、、うーーーーーーーん……」
このように、また同じ結論に至り結局解決はしません。
そして、さらに大きく問題になるのは、これを繰り返すと思考回路が固定化されてしまうことです。働き方で悩んでいていたはずが、いつの間にか勉強テーマで悩むことになっています。テーマが変わっています。さらに言えば、転職しなければ、働き方を変えられないわけではありません。
「働き方を変えるためには
転職しなきゃ
そしてもっと勉強しなきゃ」
と考えたのは自分ですよね。自分が勝手に想像した解決策なのに、その道しかないと思ってしまうようになるんです。
本当は他にも解決策はあります。上司に相談してみるとか、仕事の捉え方を変えてみるとか、いまその場でできることもあるはずです。でもその選択肢が見えないんですよね。
自分ひとりで考えていると、ぐるぐる同じことを繰り返し考えるようになります。それは常に問いかけが同じだからです。そしてそのうち、考え方がより固定化され、その決まったループから逃れられなくなります。
これが自分で考える弊害です。
もちろん、自分で考えることは大事です。でも考えすぎは、より選択肢を狭め、より自分を追い込んでしまいます。
3日考えて答えが出なかったら、おそらくその先も答えは出ません。そんな時は、新たな問いかけが必要です。自分の思考回路とは別の視点を外からもらわないといけません。
良書を読んだり、勉強会に参加したり、プロからコンサルを受けたり。
長い間、同じ課題を抱えているとしたら、その課題は自分の思考回路では解決できません。むしろ考えれば考えるほど解決策が見えなくなっていきます。脱却したいなら外からの正しい刺激が必要です。ぜひ取り入れてみてください。
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