本の出版って、どうやってやるの?

本を出版したい! 商業出版でベストセラーを実現したい! と思ったら、このページを読んでください。何から手を付ければいいか、どんな行動をすればいいかがわかります。

【出版企画書の体裁】

自分が書きたい内容が決まったら、それを企画書にします。出版の企画書は、ある程度体裁が決まっています。100%これじゃなきゃNGということではありませんが、違うフォーマットに違和感を覚える人もいます。「郷に入っては郷に従え」、なので、通常の体裁で出しましょう。

・まず「ワード」で書きます。パワーポイントではなく、ワードです。
・A4の縦で横書きです。いわゆる、ビジネス文書と一緒ですね。
・フォント(字体、文字の大きさ)は変更しないでくださいね。
ワードの基本設定のままで書いてください。
たまに、余白を減らし、行数を上限まで増やしたギチギチの企画書を見ますが、これでは読みづらい。読んでもらません。だから基本設定を守ってください。
・枚数は、1枚か2枚です。枚数が増えれば増えるほど、読んでもらえる可能性が減ります。

【出版企画書に盛り込む内容】

次に、出版企画書に盛り込む要素です。本を出版するためには、出版企画書を避けて通れません。どんなことを書けばいいかってことです。出版企画書の体裁に関してはいろんな考え方があります。ただ、間違いなく言えるのは編集者が求めている要素が入っていればいいということ。そして反対に、編集者が求めていない要素は入れてはいけないということです。ぼくは出版業界25年を超え、いろんなタイプの編集者を見てきました。そして、以下の要素に集約されることがわかりました。

●仮タイトル
文字通り、仮のタイトルですね。

●企画概要
自分が考えているコンテンツの概要を説明します。

●プロフィール
自分の肩書、実績や経歴を書きます。

●目次(案)
どんなことを本に書こうとしているのか、その順番を含めて目次案を書きます。

この他に、

・自分がどれだけプロモーションできるか?
・市場規模はどれくらいか?
・類書(同類の本)には、どのようなものがあるか?

などを書いた方がいいと言われることもあります。ただ、これはメリット・デメリット両方あります。むしろデメリットの方が大きいです。なので、書かなくていいです。

【出版企画書の目的】

出版企画書の目的は、編集者に「この人に会ってみたいな」と思わせることです。よっぽどでなければ、企画書の通りに本づくりが始まることはありません。編集者は「なんかおもしろそうな人だから、一度会ってみよう」と感じ、その会った場で、具体的な書籍の企画アイディアを出し合いたいと考えています。

会ってから、ある意味ゼロベースで企画を考えようとしているのです。だから、事前に原稿を書いても無意味ですし、むしろ「既に原稿がある」という場合は、嫌がられます。

ほんとです。編集者は「編む人」です。完成している原稿を持って来られても自分の出る幕がありませんし、自分のアイディアが入れられません。なので、原稿を先に書いてしまうのは完全に意味がないことなのです。
(むしろ編集者に嫌がられてマイナスになります)

企画書の目的は、「この人に会ってみたいな」と思ってもらうこと。それ以上でもそれ以下でもありません。

【企画概要には何をかくの?】

「企画概要」と言われても、何を書けばいいのかわからないという方がほとんどだと思います。まず、企画概要は5行から10行くらいです。そしてここには、自分が考えているコンテンツを大まかに書きます。ただし、ここで気を付けなければいけないのは「自分の想いばっかり」になっちゃうことです。

本はあくまでも読者のためのものです。ですから、著者が何を書きたい、なぜ書きたいかではなく、「なぜこれが世の中に必要で、この本を読んだ人は、このように変われる」ということが入っていなければいけません。

それを5行から10行にまとめましょう。

【プロフィールの書き方】

ここはQ&A方式で解説しますね。

Q.プロフィールには何をかくの?
A.プロフィール欄は、著者が「私はこんな人間です」を書く場所です。ですが、とはいっても、著者の生い立ちを履歴書的に書く場所ではありません。出版企画書は、「私はこんな本が書きたい!」と編集者にアピールする提案書ですよね。
プロフィールは、そこに載せる自己紹介ですから、「ほら、私こんな実績あります。こんなこと考えてきました。こんな思いがあります。だから私に書かせてください!」ということをアピールすることが目的なんです。

Q.何行くらいで書くの?
A.決まりはありません。仮タイトル、企画概要、プロフィールでA4サイズ1枚に収まればOKです。

Q.自分でアピールできることを書けばいいの?
A.アピールできる実績や資格を書く、という方向性でOKです。ですが、本のテーマに関係ない生い立ちや趣味は書いちゃいけません。資格も同様に、「関係ないものは書かない」が正解です。私だったらその本を書けるんです!という「証拠」として書くつもりで仕上げましょう。

Q.自分の写真は載せるの?
A.写真を載せる目的によります。自分の写真を載せることで、説得力が増す場合は載せます。関係ない場合は載せません。ちなみに僕は、一度も載せたことがありません。ぼくの見た目と書く内容が(ぼくの場合は)関係ないからです。一方で、美容やダイエット本の場合は、「実績、証拠」として自分の写真を載せてもOKです。

【目次(構成案)の作り方】

企画書に目次を入れることがあります。というか、入れた方がコンテンツの内容が伝わりやすいので、入れましょう。出はどうやってその目次をつくるかを説明しますね。

まず知っておきたいのは、本はだいたい5章か6章で書く、ということ。長すぎてはいけませんし、3章で終わっても、なんとなくいけません。(絶対NGというわけじゃないんですが、5章か6章でまとめるのが一般的です)

大まかな手順としては、

1.とにかく、自分がそのテーマに関して知っていることを箇条書きにリストアップする
2.それを、順番に並べなおす

です。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、それだけです。

実際の本になる時には、冒頭に「つかみ」を入れたり、最初に課題(読者が知らないこと)を投げかけて、次の章以降にその答えを書くというやり方もあります。

でも、それは企画書の段階で考えなければいけないことではありません。まずは、自分が持っているすべての情報、知識、ノウハウを土俵に上げ、その後に順番を考えたり、「しかけ」を作ったりするのです。企画書の段階でそれを考えようとすると先に進めなくなりますし、もっと悪いことにもなります。

その悪いこととは、「意味が分からなくなる」ということ。

企画書に書く目次は、編集者が見て「このノウハウおもしろそう!」「このやり方、いいね!」と思うものでなければいけません。つまり、その著者が持っているネタがどんなものなのか、が編集者に伝わらなければいけないのです。

そして、企画書の目的は「この著者に会ってみたい!」と思ってもらうこと。編集者が「なんか面白そうですね」と思ってくれれば良く、構成や流れを完ぺきにしておく必要はないんです。とにかく、自分が書ける内容をリストアップして、それを順序立てて並べましょう。

▼自分のコンテンツはどんな本になるか、イメージを持ちたい方は、こちらのページを参考にしてください。

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