はじめに

こんにちは、木暮太一です。
今日も【出版の裏側】について、熱量たっぷりに語っていきます。

ちなみに……僕の新刊が完成しました!
タイトルは 『言語化組み立て図鑑 ―当てはめるだけでパッと伝わる』 です。

構成は図鑑形式。受験でよくあった「下線部に適切な語句を入れて完成させなさい」みたいな感じで、言いたいことを“型”に当てはめていくスタイル。
文章がうまく伝わらない…という方には超おすすめの一冊です。

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「編集者が欲しがる著者」とは?

さて、本題に入ります。

今日は「編集者がどんな著者を欲しがるのか?」という話をしていきます。
このテーマ、すごく関心を持たれる方が多くて、以前もお話ししたのですが、今回は視点を変えてもう一度解説します。


編集者が嫌う著者 No.1は「絞れない人」

まず結論から。

編集者が一番嫌うのは、“絞れない”著者です。

これはもう、ジャンルとか専門分野とか関係ありません。
もちろん、横柄な人とか、態度が悪い人も嫌われます。でもね、著者として致命的に嫌がられるのが、「絞れない人」なんです。


「いろいろやれば結果が出る」ではダメ

たとえば、

「地道に努力すればいろんな方法で結果が出ますよ」といった著者。

……もうね、編集者からしたらマジで面倒くさいんです。

読者も同じです。
「いろんなことをやれば結果が出ます」って言われても、ピンと来ない。むしろ混乱するだけ。

  • あれも大事
  • これも大事
  • そっちも大事

こんなふうに並べ立てられても、結局何が大事なのか伝わらないんです。


「○○が9割」がなぜウケるのか?

「○○が9割」という本のタイトル、見かけたことありますよね?

あれが受ける理由は明快。

「これさえやっとけばいい」と読者に思わせてくれるからです。

つまり、読者が迷わず行動できるように、情報を思い切って絞ってあげてるんですね。


テーマと手段は必ず「一点集中」

編集者に企画を話すときも同じです。

「この5つが大事なんです」って言われたら、編集者は「もういいや…」ってなるんです。

それが仮に事実であってもです。
だからこそ、「しいて言うなら、これ!」と絞り込める力が必要なんです。

テーマの絞り方例:

×「コミュニケーション」
○「話し方」や「聞き方」など、もっと狭く・具体的に


書籍の中でも「手段」は絞れ!

本の中でも、「どの手段で読者をゴールに導くか」を明確にしなければなりません。

「いろいろあります」と言った時点で、もうアウト。

読者も編集者も、そういう本を選びません。

もちろん、「これが大事。でもプラスアルファで、こういうこともある」という構成ならOK。
重要度の緩急が必要なんです。


「いろいろ大事」は説得力を下げる

大谷翔平さんのような超有名人なら話は別です。
編集者の方から「本を出したい」と思っていますから、たとえ内容が曖昧でも問題ない。

でも、僕らは売り込む立場
そこで「全部大事なんで書きたいです」では、編集者にこう思われてしまいます。

「ああ、この人、自信がないんだな」

いろいろ並べる=勝負できる一品がないという印象につながります。


カレーとナポリタンがあるラーメン屋?

こうなるともう、「ラーメン屋なのに、カレーとナポリタンがある店」状態。

何屋かわからなくなりますよね?
せめてラーメンで一本勝負してくれよ、って話です。

これと同じで、「いろいろ用意してます」=絞れない=信用されないんです。


絞れる著者は評価される

逆に言えば、絞れる著者は編集者にとってありがたい存在です。

  • 「これだけです」
  • 「最重要はこれ!」

たとえ乱暴に見えても、言い切れる人は強い。
編集者から見て、企画が立てやすい、売りやすい、書きやすい。


専門家ほど葛藤がある。でも…

もちろん、専門家ほど「これも大事、あれも大事」って見えてしまうんですよ。
その気持ちは、僕もよくわかります。

でも、あえて言います。

そのまま言ってしまうと、売れないし評価もされません。

読者も「手っ取り早い答え」が好きなんです。

この記事のまとめ

読者も編集者も、曖昧で散漫なメッセージよりも、「これが大事」と明言されている方に魅力を感じます。
多少乱暴でもいいので、一つの軸に絞って語れる著者こそが評価されやすく、結果的に本が売れる著者になります。

たとえば、「いろんな努力を積めば結果が出る」と言うより「○○さえやればOK」と言い切れる姿勢が大切だということです。

というわけで、今日は「絞れる人が評価される」というテーマでお話ししました。

出版における評価ポイントは本当にいろいろあります。
でも、しいて言うならこの「絞れる力」こそが最重要。

ぜひ、意識してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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