「いつか自分の本を出版したい」と思っている方は多いです。でも、「何から始めればいいのかわからない」「出版社に企画を持ち込んでも断られそう」「そもそも自分に本なんて書けるのか」と不安に感じていますよね。そして、行動をしていませんよね。
じつは、ぼくがこれまで出版コンサルティングを通じて支援してきた著者の多くが、最初は同じような悩みを抱えていました。しかし、正しいステップを踏めば、初心者でも商業出版を実現できます。この記事では、本を出版したい人がまず何をすべきなのか、出版業界のリアルな情報とともに、具体的な行動指針をお伝えします。
最初にやるべきは「企画書作成」ではない
多くの人が勘違いしているのですが、本を出版したいと思ったとき、いきなり出版企画書を書き始める必要はありません。出版社への売り込みから始める人も多いのですが、それはかえって出版しづらくなるやりかたです。
商業出版を成功させるためには、もっと根本的な部分から始める必要があります。では、具体的に何から始めるべきなのでしょうか。
1. 自分の「書ける内容」を明確にする
まず最初にすべきことは、あなたが本当に書ける内容を特定することです。これは単純に「好きなこと」「興味があること」とは違います。
本を出版するためには、以下の3つの要素が揃っている必要があります:
- 専門性・権威性:その分野で一定の経験や実績がある
- 独自性:他の本にはない切り口やノウハウがあり、差別化ができる
- 再現性:読者が実践できる具体的な方法論がある
例えば、営業の仕事をしている人なら「営業術」、子育てをしている人なら「子育てのコツ」、ダイエットに成功した人なら「ダイエット方法」など、日常の経験から書けるテーマは必ずあります。
2. 読者ニーズを徹底的にリサーチする
次に重要なのが、マーケットリサーチです。あなたが書きたい内容に対して、本当に読者のニーズがあるのかを確認する必要があります。
効果的なリサーチ方法:
- Yahoo!知恵袋やSNSで関連する質問・悩みを調べる
- Google検索で関連キーワードの検索ボリュームを確認する
- 書店で類似書籍の売れ行きをチェックする
このリサーチを通じて、「どんな人が」「どんな悩みを持っていて」「どんな解決策を求めているのか」を具体的に把握することができます。
出版業界の「本当のところ」を知る
出版を目指す前に、出版業界の現実を理解しておくことも大切です。
商業出版は「ビジネス」である
出版社は慈善事業ではありません。売れる本を作って利益を上げるのが目的です。そのため、「良い内容だから」「社会的意義があるから」という理由だけでは採用されません。
出版社が求めているのは:
- 売れる見込みがある企画
- マーケットのニーズに合致している内容
- 著者に一定の発信力・影響力がある
編集者とのマッチングが重要
出版社には様々な編集者がいて、それぞれ得意分野や興味のある領域が異なります。ビジネス書が得意な編集者もいれば、実用書、自己啓発書、専門書に特化している編集者もいます。
自分の企画に最適な編集者を見つけることが、出版成功の重要な鍵となります。
企画を「言語化」する技術を身につける
あなたの頭の中にある素晴らしいアイデアや経験も、適切に言語化できなければ、編集者に伝わりません。
価値の言語化とは
「価値の言語化」とは、あなたの知識・経験・ノウハウを、読者にとって価値のある形で明確に表現する技術です。
例えば:
- 「営業のコツを教える」→「断られても必ず契約を取る営業術」
- 「時間管理の方法」→「1日25時間あるかのように使える時間術」
- 「コミュニケーション改善」→「人見知りでも5分で相手と打ち解ける会話法」
このように、具体的で魅力的なタイトルに落とし込むことで、編集者の興味を引くことができます。
読者目線での企画立案
企画を考える際は、常に読者目線で考えることが重要です。
- この本を読むとどんな変化が起きるのか?
- 読者の具体的な悩みを解決できるのか?
- 実践しやすい内容になっているか?
- 他の本との差別化ポイントは何か?
出版コンサルティングの活用を検討する
ここまで読んで「やっぱり一人では難しそう」と感じた方は、出版コンサルティングの活用を検討してみてください。
出版コンサルタントができること
専門的な出版コンサルタントは、以下のようなサポートを提供します:
- 企画のブラッシュアップ
- 企画書の作成代行
- 編集者とのマッチング
- 契約交渉のサポート
- 出版後のプロモーション支援
コンサルタント選びのポイント
出版コンサルタントを選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう:
- 作家としての実績の豊富さ(コンサルタント自身が商業出版の経験が豊富か。最低30冊は必要です)
- 受講生の実績の豊富さ(多くの商業出版をサポートしてきたか。最低500冊は必要です)
- 対応範囲の広さ(どんな企画でもサポートできるか)
- 市場の理解(どんな本・どんなジャンルがが売れているか、感覚ではなく数字で把握できているか)
デジタル時代の出版戦略
現代の出版を考える上で、デジタルマーケティングの視点も重要です。
SEO対策を意識したコンテンツ作り
本の内容を考える際は、SEO対策の観点も取り入れましょう。読者がGoogle検索で使いそうなキーワードを意識してタイトルや章立てを考えることで、出版後の認知度向上にもつながります。
SNSでの発信力を高める必要は必ずしもない
出版社は著者の発信力も重視します。とはいえ、SNSのフォロワーが多くなければ出版できないわけではありません。SNSのフォロワーを気にする出版社もありますが、「ごく一部」です。ただし、自分が考えていることを明確に文章にする意味では練習になるので、やっておいても無駄にはなりません。
継続的な学習と改善
出版は一度きりのイベントではありません。継続的に学習し、改善していく姿勢が重要です。
他の著者から学ぶ
すでに出版している著者の事例を研究しましょう:
- どんな経歴の人がどんな本を出しているか
- どんなプロモーション方法を使っているか
- どんな読者コミュニティを作っているか
出版セミナーや勉強会への参加
出版に関するセミナーや勉強会に積極的に参加することで、最新の出版事情や成功事例を学ぶことができます。また、同じ志を持つ仲間とのネットワーキングも大きな財産となります。
まとめ:まず「小さく始める」ことが大切
本を出版したいと思ったら、いきなり大きなことを考える必要はありません。まずは小さく始めることが大切です。
今日からできること:
- 自分の書けるテーマを3つリストアップする
- そのテーマに関する既存の本を5冊読む
- 読者の悩みを100個書き出す
- SNSで情報発信を始める
- 出版関連のセミナーに1つ参加する
出版は決して夢物語ではありません。正しい方法と継続的な努力があれば、誰でも実現可能です。大切なのは、完璧を目指すのではなく、まず行動を起こすこと。あなたの中にある価値ある経験や知識を、多くの人に届けるための第一歩を、今日から踏み出してみませんか?
ぼくが出版コンサルティングを通じて支援してきた多くの著者も、最初は「本当に自分に書けるのか」と不安を抱えていました。しかし、適切なサポートと正しいステップを踏むことで、素晴らしい本を世に送り出しています。あなたにも必ず、その可能性があります。