こんにちは、木暮太一です。
今日は本が増刷されるロジックについて説明します。

先日出版した『働き方の損益分岐点』(講談社文庫)が増刷になりました。
そして去年の春に出した『どうすれば、売れるのか?』(ダイヤモンド社)も
またまた増刷されたようです。

増刷とは、「もっと印刷する」ということで、
要は「売れているから、もっと刷る」という意味です。

本を出すなら増刷を目指さないと、
3刷(=2回増刷)になったらホンモノですね、
などなど、よく言われています。

著者としても「増刷」はとてつもなくうれしいことだし、
もしかしたら出版することよりも増刷の方がテンションあがるかもしれません笑

ただ、ほとんどの著者は
どうすれば増刷されるかがわかりません

「増刷されたら超うれしい!」と言いながらも
何をすればいいか自分ではわからないんです。

これでは作戦が立てられませんね。

なので今日は「増刷されるロジック」について
細かく解説します。

まず、本が増刷されるのは、
「出版社に在庫がなくなった時」ではない、ということです。

え!? そうなの???

・・・・・

・・・・

・・・

じつは、そうなんです。

「足りなくなったから増刷する」のでは? と感じるかもしれませんが、
それは違います。

出版業界は「返品」が可能なので、
日々、書店に並んでいた本が出版社の倉庫に戻ってきます。

そのため、いま在庫がなくても、
来週には結構な数が返品されて在庫ができることもあります。

なので出版社は、
手持ちの在庫がゼロになったからと言って
即増刷をするわけではありません。

また、出版業界は「注文」が2段階に分かれている
ということも知らなければいけません。

第一段階)書店が出版社に注文する
 本は、書店が出版社に注文し、店頭に並べます。
 この段階で出版社の在庫は減ります。
 でも、その段階ではまだ売れていませんね。

第二段階)読者が書店で買う
 書店に並んでいる本を読者がお金を出して買えば
 そこでようやく「売れた」となります。

第一段階をクリアーしても、
第二段階で読者に買ってもらえなければ
やがて返品されてしまいます。

第二段階は超重要ですね。

かといって、
読者からの需要が見えていても、
書店に本を並べられなければ売れません。

たとえば、テレビで紹介されて
一時的にすごく注目が集まったとします。
そんな時、本屋さんに置いてないから売れずに機を逃す
ということはよくあります。

出版社にとって大切なのは、
どんどん書店に出荷されて(第一段階クリアー)
さらにどんどん読者に売れている(第二段階クリアー)
という2つの状況が必要なわけです。

そして第二段階を判断するのは
「POSデータ」です。

出版社といえども、
自社の本がどれだけ実際に売れているかを
追いかけることはできません。

なので、書店チェーンや取次(問屋)が提供している
POSデータを買い、それを見て判断するんです。

このPOSデータでは、
「発売後2週間で、25%消化」が一つの目安とされます。

「最初に流通させた部数が、当初の2週間で25%売れる」
ということです。
ここまで行けば、増刷が検討されます。

ただ、同時に「第一段階(出版社→書店)」の部数も
考慮しなければいけませんね。

いくらPOSデータ上で売れていたとしても、
一部の本屋さんで売れているだけで、
別の本屋からは大量に返品が来ているのであれば
増刷はされません。

となるとポイントは、

1)いろんな書店からどんどん追加注文が来て、
  出版社からどんどん書店に出荷していること

2)POSデータで見たとき、毎日毎日ちゃんと本が売れていて
  2週間で25%くらいが読者に渡っていること

の2つになります。
こうなったら増刷される可能性は非常に高まります。

著者はこの状態を目指さなければいけないし、
なんなら、自分でこの状態を作り出せなければいけません。

じゃないと、あなたの本は増刷されない。

Amazonキャンペーンなどやっている場合ではありません笑
出版社が何を考えているかをしっかり見て判断したいですね。

実際にどうやって第一段階、第二段階をクリアーさせるかは
ぼくの出版理論講座で徹底的に解説しています。

出版を成功させたい方はぜひいらしてください。

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